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    並んで立つと、いきなり

    さう云ひながらぽんと軽く下腹をたゝいた盛子の巧みな、しなのある手つきが目に浮かんだ。それは、そこだけ切つてとつたやうな鮮かさで残つていた。

    今度は正文の方で答へなかつた。そして急に苦がい顔になつて、ぢろりと薬戸棚を見まはしただけで母屋おもやの方へ帰つて行つた。

    「いためた?」

    今泉はかすかに鼻のあたりを不満げにふくらませた。

    「ほらね、かういふ形のと、又別にかういふのがあるだらう」

    そして、徹夜の仕事を連続していると、視神経の疲れが何よりの悪刺戟になることがのみこめてくる。もっとも、私は強度の近視のところへ、遠視が加わったから、メガネをかけても外してもグアイが悪いのである。それがメガネのツルを支えている鼻梁の疲れを代表者として頭の廻転に鈍痛を加えてくるのである。

    「ね、君」

    「よからう」

    男は病人から房一へぎろりと眼を移すと、

    「あんたも、おめでたいさうで」

    「さうか、――そんなに何もかも、こつちでして貰つてもえゝか」

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